このサイトについて

行政書士一問一答!は、行政書士試験合格者が作成したサイトです。一問ごとに回答と解説を設けておりますので、隙間時間の勉強にもってこいです。

勉強のコツ

苦手分野の問題を重点的に繰り返し、弱点をつぶしていくことが重要です。特に民法と行政法は出題数が多いので、苦手分野の無いようにしましょう。範囲が広い割に5問しか出題されない商法・会社法は思い切って捨てましょう。

行政書士一問一答!

行政法【概論】

【問題1】
行政法を「組織法」「作用法」「救済法」に分類すると、行政手続法は「作用法」になる。

【問題2】
行政法は、適用の画一性や内容の明確性が強く要求されるため、法源は成文法に限られる。

【問題3】
行政が従うべき法律は形式的に存在していればよいので、その内容が国民の憲法上の権利を侵害するかどうかとは関係ない。

【問題4】
侵害留保説に立つと、個人の権利・自由を制限しない給付行政・サービス行政は必ずしも法律の根拠に基づく必要はない。

【問題5】
行政の基本原則である法律の留保には、侵害留保説と全部留保説があるが、個人の権利・自由を保護するという自由主義的側面を重視する考えは侵害留保説のほうである。

【問題6】
公法私法一元論では、行政上の法律関係を権力関係と非権力関係に分け、さらに非権力関係を管理関係と私経済関係に分けて、適用法規と訴訟手続きを確定する。

【問題7】
国の国家公務員に対する安全配慮義務の懈怠に基づく損害賠償請求の消滅時効は、会計法30条の5年ではなく、民法167条1項により10年であるというのが判例である。

【問題8】
公営住宅の利用関係は、公の営造物の利用関係としての性質があり、私人間の家屋賃貸借関係とは異なるため、借地借家法は適用されない。

答え:〇

答え:✖

答え:✖

答え:〇

答え:〇

答え:✖

答え:〇

答え:✖

「作用法」は他にも行政代執行法、都市計画法などがあり、「救済法」には行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法などがあり、「組織法」には内閣法、国家公務員法などがある。

行政法は、成文法を原則とするが、不文法も法源になりうる。成文法には、憲法・法律・命令・条例のほか、地方公共団体またはその機関が制定する条例・規則がある。不文法は、慣習法・条理などがある。

これを形式的法治主義という。しかし、現行憲法の下では、法律の内容が憲法に違反するものであってはならないとする実質的法治主義になっている。

国民に義務を課したり、国民の権利を制限する侵害的行政作用についてのみ法律の根拠が必要とする侵害留保説が実務における支配的な見解。これに対し、給付などの授益的行政作用についても法律の根拠が必要であるとする見解が全部留保説である。

それに対し、国民の代表機関である国会が制定する法律によって行政権をコントロールするという民主主義的側面を重視する考え方が全部留保説である。

公法私法二元論(伝統的行政法学)の説明である。公法私法一元論(現在の行政法理論)は、公法・私法の区分から概括的に適用法規を決定することなく、私法の適用可能性を前提として、具体的な行政活動の事案ごとに私法の適用があるか、それとも独自の取り扱いが適切かを探求する。

会計法30条の5年の消滅時効は、行政上の便宜を考慮したものである。国が被害者に損害を賠償するという関係は、私人対私人における損害賠償と目的や性質が同じ。よって、行政上の便宜を考慮する必要がないため、民法が適用される。(最判昭50.2.25)

判例は、公の営造物の利用関係として公法的な一面があることは否定しないが、事業主体と入居者の関係は私人間の家屋賃貸借関係と異なるところはなく、公営住宅法および条例に特別の定めがない限り、原則として一般法である民法および借家法(現借地借家法)の適用があるとした。(最判昭59.12.13)

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