このサイトについて

行政書士一問一答!は、行政書士試験合格者が作成したサイトです。一問ごとに回答と解説を設けておりますので、隙間時間の勉強にもってこいです。

勉強のコツ

苦手分野の問題を重点的に繰り返し、弱点をつぶしていくことが重要です。特に民法と行政法は出題数が多いので、苦手分野の無いようにしましょう。範囲が広い割に5問しか出題されない商法・会社法は思い切って捨てましょう。

行政書士一問一答!

行政法【国家賠償法等】

【問題1】
国家賠償法1条1項の規定に基づく損害賠償責任は、国または公共団体が負うが、違法行為による損害の場合は、違法行為を行った公務員個人が被害者に直接責任を負う。

【問題2】
国家賠償法1条1項の「公権力の行使」とは、行政作用のみではなく、立法作用および司法作用も含まれる。

【問題3】
国家賠償法1条1項に規定する「公務員」には、特殊法人の職員も含まれる。

【問題4】
国家賠償1条1項の「その職務を行うについて」の要件を満たすには、客観的に職務行為の外形を備えているだけでは足りず、公務員が主観的に職務権限行使の意思を有していることを要する。

【問題5】
国または公共団体は、加害行為を行った公務員に対し求償権が認められるが、公務員に故意または重大な過失があった場合に限られる。

【問題6】
国家賠償法2条1項が規定する公の営造物の設置又は管理の瑕疵は、設置者・管理者に過失や故意があるときに限り国等に賠償責任がある。

【問題7】
国または公共団体が国家賠償法1条1項の規定によって損害を賠償する責任を負う場合において、公務員の選任または監督にあたる者と公務員の給料その他費用を負担するものが異なるとき、費用を負担する者にはその損害を賠償する責任はない。

【問題8】
国家賠償法には、国家賠償請求訴訟の出訴期間の規定がない。

【問題9】
国家賠償法は、外国人が被害者であっても制限なく適用される。

【問題10】
損失補償とは、適法な公権力の行使により特定人に生じた財産上の損失を補償することである。

答え:✖

答え:〇

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答え:〇

【代位責任説】公務員が違法行為を行ったときは、本来は公務員が個人的に責任を負うべきところだが、公務遂行がそのために十分なされなくなる恐れを防止し、かつ被害者救済を完全に実践するという政策的配慮により、国または公共団体がその賠償責任を当該公務員に代位する(最判昭36.4.21)。

判例によると、立法作用と司法作用も含まれる。
立法作用について…最判昭60.11.21
司法作用について…最判昭57.3.12

行政主体のために公権力を行使する者であれば、特殊法人の職員も国家賠償法1条1項の「公務員」に含まれる。

川崎駅で非番の警察官が、制服・制帽を着用し、ピストルにより相手を死亡させた事件の判例によると、「職務を行うについて」とは、その加害行為が、客観的に職務執行の外形を備えていればよく(外形主義)、公務員の主観的意図は問題ではないとしている(最判昭31.11.30)。

『公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。(1条2項)』

営造物に客観的に瑕疵があることが認められれば、設置者・管理者の故意や過失を問うことなく無過失責任が認められる。ここでいう瑕疵とは「営造物が通常有すべき安全性を欠いている」こと。なお、自然災害のような不可抗力の場合は国等が責任を負わない(自然災害でも安全管理対応の不十分など人災を認めて国に責任を問う判例もある)。

『国又は公共団体が損害を賠償する責に任ずる場合において、公務員の選任若しくは監督又は公の営造物の設置若しくは管理に当る者と公務員の俸給、給与その他の費用又は公の営造物の設置若しくは管理の費用を負担する者とが異なるときは、費用を負担する者もまた、その損害を賠償する責に任ずる。(3条1項)』

国家賠償法には「出訴期間」というものは定めていない。もっとも、民法724条の時効の制限は受けることになる。

『この法律は、外国人が被害者である場合には、相互の保証があるときに限り、これを適用する。(6条)』つまり、被害者の外国人の国の法律で、日本人に対して国家賠償する定めがあれば、その外国人にも国家賠償責任を負うということ。

損失補償とは、適法な公権力の行使によって生じた私人の財産上の特別の犠牲に対し、私有財産の保障と公平の見地から、全体の負担においてこれを調整するためになされる財産補償。なお、損失補償を一般的に規定した法律はなく、「土地収用法68条以下」や「原子力基本法21条」など個別の法令により規定している。

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